０１．ヴィンテージ PRIMEプレスの概要
ヴィンテージ PRIMEプレスは二ケイ酸リチウム結晶を含有した加圧成型ガラスセラミックスである。
２種類の透明性から構成され、高い審美性と透明性が求められるインレー、アンレー、ラミネートベニア、
パーシャルクラウンなどのケースに適した色調です。
 図０１  図０２
この新素材はガラス組成、製造方法の新規技術を導入し、高い材料強度を発現する二ケイ酸リチウム結晶の
高密度化を図ったものである。
適度な結晶サイズによるインターロッキング（絡み合う）構造を形成させることによって、プレスインゴットとして
世界で初めて曲げ強度が525MPaと汎用築盛型陶材（リューサイト結晶系ガラス）の約３倍弱の曲げ強度を達成した。
また口腔内における溶解量は、僅か12µg/cm2であることから、上述した高い材料強度と共に、補綴装置作製時に
チッピングを低減し、口腔内における長期的に安定する優れた補綴装置の製作を実現した（図０１、０２＆表０１）。
図０３  表０１
０２．口腔内における長期安定性
ヴィンテージ PRIMEプレスはISO規格で定められた溶出試験において、12μg/cm2と極めて低い溶出量を示す
（ISO規格要求値：100μg/cm2以下）。
これは従来の低融陶材と比較し1/3程度の溶出量であり、低融陶材最大の欠点を克服している。
すなわち口腔内において優れた化学的耐久性を示唆することに他ならない。
表０２.ヴィンテージ PRIMEプレスの諸物性代表
熱膨張係数
（25℃−500℃） （×10-6/K） |
ガラス転移点
（℃） |
曲げ強度
（3点曲げ）
（MPa） |
溶解量
(μg/cm2) |
10.8 |
504 |
525 |
12 |
０３．トータルシステムとしての充実化
ヴィンテージ PRIMEプレス システムの優位性は、関連材料の充実と高品質にも起因する。
ここに各材料を挙げる。
A.加圧成型用埋没材：セラベティ プレスベスト
ヴィンテージ PRIMEプレス システムは埋没材「セラベティ プレスベスト」を用いることによって、
プレス体に生じる反応層が極少量になり、ガラスビーズ及びアルミナサンドブラストで完全に除去することができる。
従来のプレスセラミックスでは反応層が厚く、除去には酸処理を施さなければ成らなかったことと比較し、
埋没材掘り出しのストレスを大幅に削減することができる。
したがって、作業時間の短縮と同時に、整合性の取れた美しいプレス体の獲得といった大きな有意性を示す。
B.研削システム：ビトリファイドダイヤ、ジルコシャイン
ビトリファイドダイヤは高い切削力から被研削体にあまり熱を生じさせず、マイクロクラックやチッピングのリスクを
軽減することが出来る。
切削時間の縮小といった観点からも、ヴィンテージ PRIMEプレスなどの二ケイ酸リチウム系材料に最適である。
また仕上げにジルコシャインを使用することで、非常に光沢感が溢れる表面性状を付与することができる。
表０３.ヴィンテージLDプレス（例＊）を種々の研削材で研磨した際の表面粗さ及び光沢度
| 試験体 |
評価項目 |
松風ビトリファイドダイヤ |
ジルコシャイン コース |
ジルコシャイン ファイン |
ヴィンテージLDプレス |
表面粗さRa[μm] |
0.73 |
0.50 |
0.34 |
光沢度Gs |
10.0 |
― |
47.1 |
＊ヴィンテージ PRIMEプレスの物性値については現在、実験依頼中です。
C.接着システム：ポーセレンプライマー＆ビューティセムSA、レジセム
双方とも歯質に対する高い接着性を示し、二ケイ酸リチウム系材料に適している。
その優れた合着力はオールセラミックス補綴装置の維持安定性に直結し、破折に対し強い抵抗を示す。
表０４.ヴィンテージLDプレス（例＊）の歯質接着強さ（サーマルサイクル2000回）
| レジンセメント |
被着体 |
せん断接着強さ（MPa） |
レジセム |
エナメル質 |
15.6 |
象牙質 |
11.2 |
ビューティセムSA |
エナメル質 |
13.3 |
象牙質 |
6.1 |
※歯質側にはレジセム用ABプライマーを使用
＊ヴィンテージ PRIMEプレスの物性値については現在、実験依頼中です。
０４．サンプル
  
掘り出し後 BL-4（インゴット) プレス後の適合性
  
1stステイン 2stステイン 3stステイン
完成
 
支台歯のみ ベニヤのみ
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松風社ホームページ： 松風ヴィンテージprimeプレス |
