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「ゼロから始めるステイン講座 Y」


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「ゼロから始めるステイン講座 Y」

 

透明だけど透明感がない?

モノリシックセラミックスについての考察 C

 

 

そろそろ臨床的な話が聞きたいんじゃい!

……もうしばしご辛抱下さいませ。

 

 

前回は加法混色と減法混色の差について、 模式図や動画を用いて解説しました。

とはいえ、実際の臨床とどの様に直結するのか、 まだピンと来ないと思います。

 

およそ次回あたりで 全容が見えてくると思いますが……。

 

 

もう少し色彩学の話が続きます。

今回は「補色」についての簡単な説明と、

「環境光の吸収と反射」について解説します。

 

 

 

補色とは何か

簡単に言えば、相反する真逆の色です。

例えるなら「赤の反対は青」といった具合で、

各々の色に対応した正反対の色があるのです。

 

色彩学においてこれを「補色」と呼んでいます。

 

じゃあピンクの反対は?緑の反対は?

これに関しては「補色対比表」をご覧頂いた方が話は早いと思います。


補色対比表(自作)小.gif

 

なんだかカラフルな表ですね。

 

よく見ると、隣の色に移るごとにグラデーションがかっていることが分かります。

この円を描くように並んだ色の、 その対極側にある色が「補色」なのです。

 

ちょうど赤の反対側に青がありますので、 赤の補色は青になります。

逆に言えば、青の補色が赤とも言えます。

 

ところで先程から赤だの黄だの言っていますが、そもそも赤って何なのでしょう。

 

もっと分かりやすく言うと、

なぜ「赤いもの」は赤く見えているのでしょうか



うーん?

 


 

●「赤以外の光を吸収する特性の物質」 が赤く見える

 

結論から言って、

赤く見える物体は、青や緑といった その他全ての色の光を吸収し、

赤い光のみを反射する働きがあるのです。

 

模式図にまとめるとこんな感じです。

 

 

物体が赤く見える仕組みb.png

 

人間の目は物体から反射した光、

つまり反射光を捉えることで物体を視認しています。

 

イチゴの場合、赤色の光しか反射しません。

バナナの場合、黄色の光しか反射しません。

 

それ以外の全ての色の光は、物体に吸収されてしまいます。

つまり物質によって、反射できる光の色があらかじめ決まっているのです。

 

 

●環境光にはすべての色が内包されている

 

ん?ちょっとおかしいぞ?

 

緑や青の光を吸収するとか言うけど… そんなカラフルな光、

日常生活で見たことないよ?

 

……なるほど、確かにそのように思えますが。


実は目に見えなくても、 環境光にはすべての色が内包されています

 

環境光とは、例えば屋外なら太陽光、室内なら蛍光灯の光と思ってください。

要は環境光=空間を満たしている光のことです。

 

しかし全ての色が内包されているならば、

部屋中が虹色な空間になりそうなものですが、

そうはなっていませんよね。

 

何故なのでしょう。

ここで思い出してほしいのが、 前回説明した「加法混色」です。

 

 

なるほど!

 

環境光は全ての色の光が混ざり合っているが故、

白色(無彩色)と化しているのです。

 

ちなみに「プリズム」を介することで、

環境光に内包されたすべての色は分解され、

初めて視認出来る様になります

 

Light_dispersion_of_a_mercury-vapor_lamp_with_a_flint_glass_prism_IPNr°0125b.jpg

         [wikipediaより抜粋]

 

 

七色で大変綺麗ですね。

 

 

 

●まとめ

環境光はあらゆる物体へ入射しますので、入射光とも呼べます。

 

まとめると、

環境光(入射光)は全ての色を内包している故に無彩色光ですが、

イチゴは赤い色の光以外を吸収するので、赤い光しか反射せず、

反射光が赤くなるので人間の目には赤く見える

ということになります。

 

以上です。

 

 

次回は

 

「ゼロから始めるステイン講座Z」

透明だけど透明感が無い?

モノリシックセラミックスについての考察D

 

へ続きます。

 

いよいよ臨床的な内容になってきますので、

乞うご期待。

 

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                  ライター 瀬 直

 

   

 


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